進撃の巨人(84点)
進撃の巨人(84点)
作者 諌山創
別冊少年マガジン 既刊24巻(2018年3月現在)
本日は、超有名作品「進撃の巨人」について書いていこうと思います。私は、進撃の巨人は単行本でしか読んでいないので、今日の所は24巻までの批評になります。
巷では、オワコンや、もう飽きたなどと言われているが、私はそうは思わない。確かに、ストーリーの途中で「失速してきたかな。」と思う時期も何度かあったが、現在24巻を読み終えた所だと、圧巻の一言だ。諌山創先生は、間違いなく天才だと思う。
この漫画がスタートした頃は、「ユニークなストーリー書きますよ!」というのを全面に押し出した色物系の漫画なのかなと思って読み始めた。しかし、普通の色物系とはちょっと違うな、と当時は感じた。最初の2〜3話での掴みがものすごいのだ。一気に読者をあのよく分からない世界に連れって行ってしまう。それと同時に、言いようの無い恐怖と絶望感を読者に与えるのだ。私は大人になってから読んだので、まだギリギリ大丈夫だったが、小学生時代に読んでいたら間違いなくトラウマになっていただろう。
アニが女型の巨人だと分かった時、ライナーやベルトルトの正体が分かった時は、「諌山先生、やるな。」という程度だったが、敷きまくった伏線が回収されはじめると、一体諌山創とは何者なんだ?という疑問に変わっていった。壁の外の話になり、エレンの父の素性、どうやって壁ができたか、どうやって巨人ができるのか、、、全てが一本の線になっていく(もちろんまだ回収されていない伏線もたくさんあるが)。そして、マーレ篇がスタートする。オワコンや、もう飽きたなどと言っていた読者の誰がこの展開を想像していたのだろう?このストーリは、もちろん成り行きでは絶対に書けない。20代前半の諌山先生が当初からこの仕組みを構築していたのか、と考えると末恐ろしすぎる。
また、進撃の巨人はストーリーだけでなく、キャラクター達にも注目したい。連載当初は、画力の問題で誰が誰か分からなくなる事もあったが、その問題は、読者に目を慣れさせるという方法で解決している。特に注目なのが、リヴァイ兵長だ。ここまで厨二心をくすぐるキャラクターに、私は幽遊白書の飛影以来出会っていなかった(私は冨樫先生の信者なので、数々の冨樫作品も後日批評したいと思います)。
獣の巨人戦での絶望的な状況から、腕をトントンと進んで指を切り刻むシーン。兵長、かっこよすぎます。あと、ジークとライナーとのやりとりもニヤニヤとまりませんが、そこからの「こいつがーリヴァイか!!」初読の時は、あまりにのかっこよさにこのページから数分動けませんでした。
一体いつまで続くのかは見当もつきませんが、もうそろそろ物語も終盤に差し掛かってくるのでしょうか?これからの展開にも期待しています。